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テレ東1月3日の声優得番って誰が出るのか予想スレ3

776 :Pritsの海外ロケ −Another Story−:03/02/06 03:03
初めて会ったときから、彼女のことは何となく苦手に思った。
・・・なぜだろう?
たぶん、彼女は私が持っていない全てを持っていたから。
可愛らしい仕草、澄んだ綺麗な声・・・
・・・女の子なら、求めて止まないもの。
はっきり言って、そんなのは私に似合わないのは判っている。
でも・・・
でも、女の子なら誰しも憧れる「ヒロイン」の立場。
強いて言えば、彼女はまさに、そんな存在だった。
彼女は私にとって、眩しすぎたのだと思う。
・・・だから私は彼女に憧れて、そして嫉妬していた。
そう・・・あの日の夜までは・・・

777 :Pritsの海外ロケ −Another Story−:03/02/06 03:06
日中の活気が、嘘のように静まり返り、満天の星の下、リーフに寄せる波の音だけが辺りを包みこむ。
海の上を渡る風は、部屋の中にまで涼気をもたらし、遠く極東アジアの島国から来た異邦の民たちも、エアコンを切り、その風を楽しんでいた。
このようなビーチリゾートの夜としては、最高の条件にも係わらず、その部屋には苦悩する女性が一人。

由「はぁ、なんで彼女と同じ部屋なんだろう?」

呟くような声でそう言うと、溜息をもらしつつ、由美子はキングサイズのベッドの上に倒れこんだ。
バルコニーを望む窓際で、風に当たり涼んでいた奈々が由美子に声をかける。

奈「あら、由美子ちゃん、何か言った?」
由「ううん、なんでもないよー」

ベッドの上に大の字で仰向けになっていた由美子は、顔だけを奈々へ向け、そう答えた。
「あら、そう」と呟くと、奈々は再び、海を渡る風に身を任せた。
再び天井を仰ぎ見て、小さく溜息をついた由美子は、何かを思い出したようで、顔を奈々に向けてこう訊ねた。
由由「奈々ちゃん、夜風に長くあたっていると、体に毒じゃないのかい?」
奈々は、少し意外そうな顔して、由美子を見やるとこう答えた。

奈「ええ、そうね。でも、由美子ちゃん、私は由美子ちゃんよりは厚着をしているわよ」

そう言われて、由美子は奈々を繁々と眺めた。
奈々は、白いオフショルダーのニットとキャミソールの重ね着で、麻地のロングスカートをはいていた。
由美子はといえば、黒のショートパンツにTシャツという、男の子のような格好。
あまりにも色気の無い自分の姿に恥ずかしくなった彼女は、奈々に背を向けるような形で、寝返りを打った。

778 :Pritsの海外ロケ −Another Story−:03/02/06 03:08
奈「でも、由美子ちゃんの言うとおりね」
そう呟き、奈々は優雅に立ち上がると、バルコニーから部屋の中に入り、後ろ手でガラス戸を閉める。
ただ全部は閉じず、気持ち開けているのであろうか、時折思い出したように、レースのカーテンが揺らめいていた。

奈々は部屋に入ると、右手の人差し指を口元に当て、しばらく考えるようなポーズをとり、何かを思い出しように冷蔵庫を開け、小さな声で「あった、あった」と呟く。

そして相変わらず、奈々に背を向けてベッドに寝転んでいる由美子に、ゆっくりと近づいた。

そのとき由美子は、物思いに耽ていた。

由(なんで、奈々ちゃんと同じ部屋に、なったんだろう?)
由(彼女、嫌いじゃないんだけど、何か苦手なんだよね。)
由(どうしてかな?)
由(彼女のあの格好、すごく女の子っぽいよなー。)
由(それに比べて、私ときたら・・・。)
由(こんな格好、男と一緒だよ。男と。)
由(・・・やめ、やめ。なんだか虚しくなってきた。)
由(そう言えば、なっちゃんともっちー、本当に仲が良いよな。)
由(夕食の後、みんなで遊ぼうと思っていたのに・・・。)
由(そしたら二人であっと言う間にいなくなっちゃうし。)
由(全く、なんだよあの二人。レズかっつーの。)
由(なんてね、そんなことある訳ないか・・・。)

奈「・・・子ちゃん」
奈「・・美子ちゃん」
奈「もう、由美子ちゃんってば!!」
由「うわーっ!?な、何?」

一気に現実に引き戻された由美子は、思わず絶叫して飛び起きる。
由美子の目の前には、目を真ん丸にして立ち竦んでいる奈々の姿があった。

779 :Pritsの海外ロケ −Another Story−:03/02/06 03:12
奈「ななな、なに、何、由美子ちゃん?」
由「あ、いや、大きな声を出してごめん奈々ちゃん。ちょっと、考え事していたから」
奈「そうだったの・・・。ううん、いいの由美子ちゃん。私の方こそ、いきなり声をかけてごめんなさい」
由「あー、本当にごめん。・・・ところでなんだい?奈々ちゃん」
奈「ええと、由美子ちゃん、喉渇いていない?」
由「そう言われると、喉渇いているかも。今、大声を出したところだし」
奈「ふふっ・・・、そう思って、ほら、これを一緒に飲まない?」
由「あれー、それどうしたの?」

奈々が由美子に見せたのは、サーモンピンクが目に鮮やかな、シャンパンのボトルであった。

奈「ホテルに着いたとき『ウェルカムドリンクです』って、私たち四人にもらったんだけど・・・」
奈「さっき、なっちゃんに聞いたら、彼女はいらないって言うし・・・」
奈「もっちーは、ちょっと欲しそうな雰囲気だったけど、なっちゃんがいらないなら、私もいいっていうから。」
由「なっちゃんは、お酒は苦手だからね」
由「でも、もっちーも飲めないのかね?」
奈「それはちょっと分からないわね」
由「しかし、うわー、そう言うの高いじゃないの?『どんぺり』とかって言うのがあるじゃん」
奈「うーん、さすがにドン・ペリじゃないと思うけど・・・。」

780 :Pritsの海外ロケ −Another Story−:03/02/06 03:15
奈々はそう言い、しばらく瓶とにらめっこをすると、小さく「あ・・・」と呟いた。

奈「もしかしたら、ドンペリよりも、良いものを貰ったかもしれないわ」
由「へー、そうなんだ」

由美子はあまり興味なさそうに相槌を打つ。
そのシャンパンはルイ・ロデレール社のクリスタル・ロゼ。ロシア皇帝アレキサンドル2世が、専用に作らせた歴史を持つ逸品で、味もさることながら、名の由来となったクリスタル製の瓶が特徴的だ。
今回用意されたのは、ロゼのシャンパンで、透明のクリスタルボトルの中に、サーモンピンクの液体が美しく輝いている。
思わず見惚れている奈々に向かって、由美子は急かすために声をかけた。

由「ねえねえ、奈々ちゃん。何でも良いから早く飲もうよ!」
奈「え・・・あ、ええ、そっそうね。冷たいうちに頂きましょう」

我に返った奈々は、瓶をそっとテーブルの上に置くと、グラスとワインクーラーを棚から取り出した。

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